賞味期限のある食材と、期限のないカラー剤。同じ「材料」でも、在庫の性格はまったく違います。
この記事では、消費期限がない材料が在庫管理と材料費率に与える影響を解説します。
結論:期限がないほど「仕入れ≠使用」が長く続く
消費期限がある材料は、使うか廃棄するかのどちらかが早く決まります。在庫が棚に眠り続けるリスクは相対的に低いです。
美容材料は違います。
- カラー剤・シャンプー・パーマ剤は長期保管可能
- 「いつか使う」で在庫が増える
- 仕入れた月と使った月が何ヶ月もズレる
現場で見える症状
バックヤードがパンパン
発注は続く。使用量は見ていない。いつの間にか棚がいっぱい。
材料費率の月ブレ
仕入れた月は率が悪い。発注を控えた月は率が良い。オーナーが原因を特定できない。
廃棄が見えない
期限がないから、古い在庫に気づきにくい。いつしか使えなくなった、というパターンもあります。
RELIVEでも、消費期限のない材料ほど「とりあえず仕入れ」の誘惑が強いと感じています。使用量の記録とセットでなければ、在庫は増える一方でした。
対策の方向性
使用ベースの材料費管理
期限がないからこそ、使った分を記録する仕組みが必要です。
棚卸しで滞留を可視化
3ヶ月動いていない在庫、6ヶ月動いていない在庫。数字で見つけましょう。
発注点の見直し
「ないよりマシ」ではなく、使用量に基づいた発注点を設定します。
現場でよく聞く声
「仕入れを抑えれば材料費率は改善する」
一時的には数字が良く見えるだけです。在庫が増え、キャッシュだけが減る。1〜2ヶ月後に使用量は変わらないまま、また仕入れが必要になります。
「うちは感覚で分かっている」
感覚は経験則として大切です。ただ、スタッフが増え、メニューが増えると感覚だけでは限界が来ます。数字は、感覚を検証する道具です。
「記録なんて現場が回らない」
最初から全品目は無理です。カラー剤だけ、閉店前5分だけ。小さく始めれば、現場も回ります。
RELIVEの直営店での学び
RELIVEでは複数の直営店を運営しています。以前はLINEや口頭で発注管理を行い、使用量はほとんど記録していませんでした。空箱は捨てるだけ。材料費率は仕入れ額を当てはめていた時期もあります。
改善のきっかけは、「使った分」を別の数字として見始めたことでした。仕入れと使用のズレが可視化されると、発注量・教育・メニュー価格の判断が一気に具体化しました。
今日からできる3つのアクション
- カラー剤の使用を1日1回でも記録する(本数で可)
- 月次で「仕入れ額」と「使用ベース材料費」を並べて見る
- 11〜12月の大量仕入れ月は、率の良し悪しを鵜呑みにしない
まとめ
消費期限がないことは、在庫管理の楽さではなく、在庫と使用の乖離リスクを意味します。
材料費率を正しく見るには、使った分の記録が不可欠です。
美容室の在庫管理課題に向き合う中で、在庫管理アプリ「ストッカ」を開発しています。