売上はある。スタッフもいる。なのになぜか手元に残らない。
材料費が見えていないと、経営の多くの判断が「なんとなく」になります。
この記事では、材料費の盲点が経営全体に与える影響を解説します。
結論:原価が見えないと、値付けも採用もブレる
値付け
メニュー価格を決めるとき、材料原価が分かっていなければ、儲かるメニューと儲からないメニューの区別がつきません。人気メニューが実は赤字、というケースもあります。
採用・シフト
繁忙期にスタッフを増やす判断。売上は伸びるが、材料費も比例して伸びる。使用量が見えていなければ、人件費だけを見て判断することになります。
メニュー開発
新メニューに必要な材料コスト。試行錯誤の廃棄。数字がなければ、感覚で追加・廃止を繰り返します。
材料費が見えない=経営の土台が揺らいでいる状態です。
「テキトー」に見える典型
- 材料費率は仕入れ月でブレる
- 空箱は捨てるだけ
- 「うちは10%くらい」で会話が終わる
- 改善しても効果が分からない
怠慢というより、見る手段がないのです。
RELIVEの直営店運営でも、使用量の記録と材料費率の可視化は、値付け見直しやスタッフ教育の起点になりました。数字があると、会話が具体化します。
抜け出すために
使用ベースの材料費率を月次で
仕入れ額と並べて見る。ズレが大きい月は在庫か記録の問題。
記録の最小ルール
カラー剤から。施術後または閉店前。
経営会議の議題に入れる
「今月の使用ベース材料費率は?」を毎月1回。
現場でよく聞く声
「仕入れを抑えれば材料費率は改善する」
一時的には数字が良く見えるだけです。在庫が増え、キャッシュだけが減る。1〜2ヶ月後に使用量は変わらないまま、また仕入れが必要になります。
「うちは感覚で分かっている」
感覚は経験則として大切です。ただ、スタッフが増え、メニューが増えると感覚だけでは限界が来ます。数字は、感覚を検証する道具です。
「記録なんて現場が回らない」
最初から全品目は無理です。カラー剤だけ、閉店前5分だけ。小さく始めれば、現場も回ります。
RELIVEの直営店での学び
RELIVEでは複数の直営店を運営しています。以前はLINEや口頭で発注管理を行い、使用量はほとんど記録していませんでした。空箱は捨てるだけ。材料費率は仕入れ額を当てはめていた時期もあります。
改善のきっかけは、「使った分」を別の数字として見始めたことでした。仕入れと使用のズレが可視化されると、発注量・教育・メニュー価格の判断が一気に具体化しました。
今日からできる3つのアクション
- カラー剤の使用を1日1回でも記録する(本数で可)
- 月次で「仕入れ額」と「使用ベース材料費」を並べて見る
- 11〜12月の大量仕入れ月は、率の良し悪しを鵜呑みにしない
まとめ
美容室経営がテキトーに見えるのは、材料費──使った分──が見えていないからです。
仕入れ÷売上では、美容室の実態は映りません。使用量から始めて、経営の土台を固めてください。
美容室の在庫管理について今後も情報発信していきます。在庫管理アプリ「ストッカ」の開発も、その延長線上にあります。