「12月忙しいから、11月に材料仕入れとこう」

美容室なら珍しくない光景です。問題は、その仕入れを材料費率の分子に入れてしまうことです。

この記事では、繁忙期前の大量仕入れが材料費率をどう歪めるかを解説します。

結論:仕入れた月と使った月がズレる

典型シナリオ

  • 11月:カラー剤・2液を大量発注(60万円)
  • 12月:施術数は増える。追加発注は少ない(15万円)
  • 技術売上:12月がピーク

仕入れベースで見ると:

  • 11月:仕入れ60万 ÷ 売上280万 → 率21%(悪く見える)
  • 12月:仕入れ15万 ÷ 売上350万 → 率4%(良すぎる)

どちらも施術で使った原価を反映していません。

繁忙期前に仕入れるのは間違いではない

在庫切れを防ぐための先読み発注は、むしろ必要な場合があります。

間違っているのは仕入れそのものではなく、仕入れを材料費として割る見方です。

分けて考える

  • 発注・仕入れ → 在庫と資金の管理
  • 使用量 → 材料費率の計算

RELIVEの直営店でも、年末年始前は発注量を増やします。材料費率は、あくまでその月に施術で使った分で見ています。

現場でできること

使用量を月次で集計

繁忙期だからこそ、使った分の記録を怠らない。施術数が増える月ほど、材料費の絶対額も増えます。率で見る意味があります。

棚卸しで在庫を確認

11月の大量仕入れ後、12月末に棚卸しすれば、使った分 ≒ 期首在庫 + 仕入れ - 期末在庫で把握できます。記録が不完全でも、近似値が取れます。

スタッフへの共有

「今月仕入れが少ないから材料費率が良い」ではなく、「使用ベースで率がどうか」を共有する文化に変えましょう。

現場でよく聞く声

「仕入れを抑えれば材料費率は改善する」

一時的には数字が良く見えるだけです。在庫が増え、キャッシュだけが減る。1〜2ヶ月後に使用量は変わらないまま、また仕入れが必要になります。

「うちは感覚で分かっている」

感覚は経験則として大切です。ただ、スタッフが増え、メニューが増えると感覚だけでは限界が来ます。数字は、感覚を検証する道具です。

「記録なんて現場が回らない」

最初から全品目は無理です。カラー剤だけ、閉店前5分だけ。小さく始めれば、現場も回ります。

RELIVEの直営店での学び

RELIVEでは複数の直営店を運営しています。以前はLINEや口頭で発注管理を行い、使用量はほとんど記録していませんでした。空箱は捨てるだけ。材料費率は仕入れ額を当てはめていた時期もあります。

改善のきっかけは、「使った分」を別の数字として見始めたことでした。仕入れと使用のズレが可視化されると、発注量・教育・メニュー価格の判断が一気に具体化しました。

今日からできる3つのアクション

  • カラー剤の使用を1日1回でも記録する(本数で可)
  • 月次で「仕入れ額」と「使用ベース材料費」を並べて見る
  • 11〜12月の大量仕入れ月は、率の良し悪しを鵜呑みにしない

まとめ

繁忙期前の大量仕入れは自然な動きです。ただし、それを材料費率に直結させると、数字が嘘をつきます。

使った分で見る。仕入れは在庫の話として別管理する。この2つを分ければ、繁忙期の経営判断もブレにくくなります。

こうした課題を解決するために、私たちは美容室向け在庫管理アプリ「ストッカ」を開発しています。