飲食店なら「今月の仕入れ÷売上」で原価率を見る。美容室も同じでしょ、と思っている方は多いです。

業態が違えば、数字の見方も変わります。

この記事では、飲食と美容室で材料費率の考え方が異なる理由を解説します。

結論:飲食は「仕入れ≒使用」に近い、美容室は遠い

飲食の場合

  • 野菜・肉・魚に賞味期限がある
  • 仕入れた分を長期間棚に置けない
  • 使わなければ廃棄になる

だから、月の仕入れ額は、その月に使った(または廃棄した)に近い数字になります。

美容室の場合

  • カラー剤・シャンプー等は消費期限がほぼない(または非常に長い)
  • 11月に50本仕入れ、12月に20本使い、30本は棚に残る
  • 仕入れ50本分を12月の材料費に入れると、実態と乖離する

これが、同じ「仕入れ÷売上」でも美容室にそのまま当てはまらない理由です。

数字で見る違い

| | 飲食 | 美容室 |

|---|---|---|

| 在庫の滞留 | 短い | 長い |

| 仕入れと使用 | 近い | ズレやすい |

| 材料費率の計算 | 仕入れベースでも許容範囲 | 使用ベースが必要 |

美容室オーナーが陥りやすい勘違い

「飲食経営の本で学んだ原価率の考え方を、そのまま美容室に持ち込んでいる」

業態の違いを無視すると、繁忙期前後の数字が意味不明になります。12月の率が悪い、1月の率が良すぎる、といったブレが生まれます。

RELIVEでも、最初は「仕入れを抑えれば材料費率改善」と考えがちでした。在庫が増え、現金だけが減るパターンを何度か経験しています。

美容室でやるべきこと

  • 材料費率は使用ベースで計算する
  • 仕入れ額は在庫・資金の管理用に別途見る
  • 消費期限のない材料ほど、使用量の記録が重要

現場でよく聞く声

「仕入れを抑えれば材料費率は改善する」

一時的には数字が良く見えるだけです。在庫が増え、キャッシュだけが減る。1〜2ヶ月後に使用量は変わらないまま、また仕入れが必要になります。

「うちは感覚で分かっている」

感覚は経験則として大切です。ただ、スタッフが増え、メニューが増えると感覚だけでは限界が来ます。数字は、感覚を検証する道具です。

「記録なんて現場が回らない」

最初から全品目は無理です。カラー剤だけ、閉店前5分だけ。小さく始めれば、現場も回ります。

RELIVEの直営店での学び

RELIVEでは複数の直営店を運営しています。以前はLINEや口頭で発注管理を行い、使用量はほとんど記録していませんでした。空箱は捨てるだけ。材料費率は仕入れ額を当てはめていた時期もあります。

改善のきっかけは、「使った分」を別の数字として見始めたことでした。仕入れと使用のズレが可視化されると、発注量・教育・メニュー価格の判断が一気に具体化しました。

今日からできる3つのアクション

  • カラー剤の使用を1日1回でも記録する(本数で可)
  • 月次で「仕入れ額」と「使用ベース材料費」を並べて見る
  • 11〜12月の大量仕入れ月は、率の良し悪しを鵜呑みにしない

まとめ

飲食と美容室を同じ土俵で見ないでください。美容室は在庫が長く残る業態だからこそ、使った分で材料費率を見る必要があります。

現場の課題を踏まえ、美容室向け在庫管理アプリ「ストッカ」の開発に取り組んできました。