施術が終わったら、空になったカラー剤の箱をゴミ箱へ。バックヤードに戻す。次の客へ。
この流れだけが続いている美容室は、実はとても多いです。
この記事では、記録がないまま捨てている現場の問題と、材料費率への影響を解説します。
結論:捨てた箱は、経営データのゴミになる
カラー剤1本使った。調合して半分残した。2液を何ml使った。
これらはすべて材料費です。記録がなければ、月末の材料費率は推測か、仕入れ額の代理変数になります。
現場で起きていること
- 使った本数が分からない
- スタイリストごとの差が分からない
- 調合の残りがどこへ行ったか分からない
- 材料費率は「なんとなく」で経営会議
ゴミ箱に証拠を捨てている状態と言っても過言ではありません。
なぜ記録されないか
施術中は手が離せない
美容室は来客時間帯に施術が集中します。「あとで記録しよう」が「忘れた」になりやすい業態です。
仕組みがない
記録するタイミング、記録する項目、誰が記録するか。ルールがなければ、個人の善意に依存します。
数字を見る習慣がない
材料費率を月次で見ていなければ、記録の必要性も感じません。悪循環です。
RELIVEの店舗でも、以前は空箱の山を見ながら「今月カラー多かったな」程度の感覚しかありませんでした。数字で見えたとき、初めてスタイリスト間の差や無駄がはっきりしました。
記録を始める最小構成
まずカラー剤だけ
- 新しいチューブを開封したら1本記録
- または施術ごとに使用本数を記録
- 残り調合のルールを決める(廃棄/次客へ等)
記録のタイミング
施術直後が理想です。難しければ、その日の閉店前5分にまとめてでも構いません。
見る数字
- 1日・1週間・1ヶ月の使用本数
- 技術売上に対する材料費(使用ベース)
現場でよく聞く声
「仕入れを抑えれば材料費率は改善する」
一時的には数字が良く見えるだけです。在庫が増え、キャッシュだけが減る。1〜2ヶ月後に使用量は変わらないまま、また仕入れが必要になります。
「うちは感覚で分かっている」
感覚は経験則として大切です。ただ、スタッフが増え、メニューが増えると感覚だけでは限界が来ます。数字は、感覚を検証する道具です。
「記録なんて現場が回らない」
最初から全品目は無理です。カラー剤だけ、閉店前5分だけ。小さく始めれば、現場も回ります。
RELIVEの直営店での学び
RELIVEでは複数の直営店を運営しています。以前はLINEや口頭で発注管理を行い、使用量はほとんど記録していませんでした。空箱は捨てるだけ。材料費率は仕入れ額を当てはめていた時期もあります。
改善のきっかけは、「使った分」を別の数字として見始めたことでした。仕入れと使用のズレが可視化されると、発注量・教育・メニュー価格の判断が一気に具体化しました。
今日からできる3つのアクション
- カラー剤の使用を1日1回でも記録する(本数で可)
- 月次で「仕入れ額」と「使用ベース材料費」を並べて見る
- 11〜12月の大量仕入れ月は、率の良し悪しを鵜呑みにしない
まとめ
空箱を捨てるだけでは、材料費率は永遠に見えません。使った分を記録することが、経営を「テキトー」から「判断できる」状態に変えます。
カラー剤から始めて、記録の習慣を作ってください。
こうした課題を解決するために、私たちは美容室向け在庫管理アプリ「ストッカ」を開発しています。