在庫が合わない。材料費率が毎月バラバラ。何を基準に計算しているか、自分でも説明できない。
美容室を経営していて、材料費率の計算方法に迷ったことはないでしょうか。
この記事では、「使った分」と「仕入れた分」の違いを、現場目線で解説します。
結論:材料費率は「使った分 ÷ 技術売上」
材料費率の基本式は次のとおりです。
材料費率 = 施術で実際に使った材料費 ÷ 技術売上(税抜)× 100
ここでいう材料費は、その月に施術で消費した分です。棚に残っている在庫は含みません。
よくある間違い
「今月いくら仕入れたか」を材料費として割る店舗が少なくありません。
- 11月に大量発注した
- 12月はほとんど発注しなかった
この2ヶ月を比べると、材料費率が真逆に見えます。どちらも使った分を反映していません。
なぜ「仕入れベース」が美容室に合わないか
在庫が長く残る
美容室のカラー剤やシャンプー類は、飲食のような短い消費期限がありません。仕入れた分が、すぐ使われるとは限りません。
50本仕入れて20本使った月に、50本ぶんを材料費に入れると、率は実態より悪く見えます。
繁忙期前の大量仕入れ
12月が繁忙期なら、11〜12月にまとめ買いする店舗は多いです。仕入れベースだと、その月の材料費率だけが跳ね上がります。
売上は12月に伸びても、材料費は11月の仕入れ分が乗る。月の対応関係が崩れます。
RELIVEの直営店でも、以前は発注額を材料費の代わりに見ていた時期がありました。数字が安定せず、改善の打ち手も決められませんでした。
使った分を把握するには
記録の起点を変える
仕入れ記録だけでなく、使用記録を残すことが第一歩です。
- カラー施術後に使った本数・グラム数
- パーマ・縮毛のセット使用量
- 使い切れず残った調合の扱い
空箱をゴミ箱に捨てるだけでは、使った分は永遠に数字になりません。
月次で見る数字
- 使用量ベースの材料費(施術消費)
- 仕入れ額(参考:在庫補充)
- 棚卸し差異(記録漏れ・廃棄のサイン)
仕入れは「在庫と資金」の話。材料費率は「施術の原価」の話。混ぜないことが大切です。
現場でよく聞く声
「仕入れを抑えれば材料費率は改善する」
一時的には数字が良く見えるだけです。在庫が増え、キャッシュだけが減る。1〜2ヶ月後に使用量は変わらないまま、また仕入れが必要になります。
「うちは感覚で分かっている」
感覚は経験則として大切です。ただ、スタッフが増え、メニューが増えると感覚だけでは限界が来ます。数字は、感覚を検証する道具です。
「記録なんて現場が回らない」
最初から全品目は無理です。カラー剤だけ、閉店前5分だけ。小さく始めれば、現場も回ります。
RELIVEの直営店での学び
RELIVEでは複数の直営店を運営しています。以前はLINEや口頭で発注管理を行い、使用量はほとんど記録していませんでした。空箱は捨てるだけ。材料費率は仕入れ額を当てはめていた時期もあります。
改善のきっかけは、「使った分」を別の数字として見始めたことでした。仕入れと使用のズレが可視化されると、発注量・教育・メニュー価格の判断が一気に具体化しました。
今日からできる3つのアクション
- カラー剤の使用を1日1回でも記録する(本数で可)
- 月次で「仕入れ額」と「使用ベース材料費」を並べて見る
- 11〜12月の大量仕入れ月は、率の良し悪しを鵜呑みにしない
まとめ
材料費率は使った分 ÷ 売上が正しい考え方です。仕入れ ÷ 売上は、美容室ではズレやすい近似にすぎません。
まずはカラー剤など、使用量の多い品目から「使った分」の記録を始めてください。数字が変われば、経営の見え方も変わります。
こうした課題を解決するために、私たちは美容室向け在庫管理アプリ「ストッカ」を開発しています。